FRF日記Vol.1 〜この宿、どんだけー!編〜

FUJI ROCK FESTIVAL '07 REPORT Vol.1

〜この宿、どんだけー!編〜



まず、本編に入る前に、この宿に辿り着くまでの道のりを書かせていただきたい。


私がこの宿を予約したのが今年の冬あたりだったように思う。

昨年のブログを読み返して、昨年宿を予約した時期よりも少し早くに宿探しを始めたのだけど、なんとそれでも昨年お世話になった宿は満室で予約が無理だった。

昨年の宿は古くはあるけれど清潔で、オーナーであるおいちゃんがとってもいい人だった。
(詳しくは昨年のフジ日記orブログを参照)

すっかりおいちゃんとその宿の虜になってしまった私は、予約が取れなくて心底ガッカリした。

しかーし!
凹んでいても話は始まらない。
フジロックはもう始まっているのだ!
会場から徒歩圏内の宿が確保出来るかどうかが勝負。
昨年の宿に泊まれないなら尚更宿探しに本腰を入れねばならないということ。

そこでいろんな宿に電話をかけて、やっとのことで見つけたのが今回の宿であった。

電話の向こうでは、声の高いおばあちゃん的な人が対応してくれた。
昨年の宿もおいちゃん&おばちゃんがオーナーの宿だったので、その辺は問題なし。


しかしながら今思うと宿を予約したこの時から、この宿とのバトルは始まっていたのかもしれない。


というのも、何故にそんなに?というくらいに、そのおばあちゃんから携帯に連絡が入るのだ。

着信があったからかけ直すと、おばあちゃんは携帯電話に着信履歴が残るということを知らないのか、どうして宿から電話があったと分かるのか、という疑問をひとまず私になげかけ、自分が年老いているということで現代にまつわる諸事情にうといということをひとしきり話し出す。


それが長い。


やっとのことでその話が終わって『で用件は?』と聞くと
「おたくは何名での予約だったかなぁ〜」
「何連泊の予定だったかなぁ〜」
「駐車場は要るのかなぁ〜」
といった、予約に際した超初歩的な内容ばかりを訊ねてくるのである。


アナタ、フロントで予約取る資格ないですけど。
普通のホテルなら即クビだよ。


それも1回や2回の騒ぎではない。
ことあるごとにひとまず予約人数と泊数を必ず確認してくるのだ。


あまりにもしつこいため、イラっとした私は
『あの、他に責任者の方いらっしゃらないんですか?』
と訊ねたところ、おばあちゃんはあっさり


「いないねぇ」




どうしようもない。





こうした一連の出来事のせいで、一抹の不安を抱えることとなり、そのまま当日を迎える運びとなったわけである。







長時間の長旅を終え、夜11時頃に辿り着いた宿は、何故か暗かった。
通りはフジロッカーズで賑わい、少し先にはゲートも見え、ガヤガヤとした明るい雰囲気が立ち籠めている。

にもかからわず、何故か暗い。


とりあえず宿に入り、自動ドアをくぐりぬけ、フロントと思われる寂れた病院の受付のようなところを覗くも誰の姿も見えない。

すいませーん、と声をかけてみるも応答なし。

何度か声をかけていると、どこからともなく携帯越しによく聞いたあの声が聞こえてくるではないか。



「あぁ、ハイハーイ」



とおばあちゃんはフロントの床からにょきっと起き上がってきたのである。

…なんで床で寝てるんすか?

とも聞けず、平静を装い「予約していた者ですが」と私。
するとおもむろにおばあちゃんが机の上から何かを手に取り、カポっと口に装着した。



…………?









入れ歯ーーーーッ!!!!!!




今、間違いなく私の目の前でピンク色に輝く偽歯茎アーンド真っ白な歯がついた総入れ歯を口に装着したね!?

しかもそれ、直に机の上に置いていたよね?



出た。

スゴい人出たよ。



あんぐりとおばあちゃんを眺めていたところ、サンダルを脱いだ裸足の足の裏からイヤな湿り気を感じることに気付いた。




これは…



これは床が……



この床が……







深紅の絨毯がしきつめられているこの床が、





全体的に湿っているーーーーーーー!!!!!





一抹の不安、的中。




それぞれがそれぞれでこの宿に対する思いと闘いながら荷物を運び、ひとまずお風呂の位置を確認しに行くことにした。

先に到着していた部屋をシェアしたお友達に

「お風呂、スゴいよ」

と恐怖の一言を告げられた私は、この場合スゴいという意味の選択肢は<スゴい=ヒドい>の一個しかないことに残念ながら気付いていた。


謎の浸水でもしたのかというくらいの湿り気を帯びた深紅の絨毯を踏みしめながら恐る恐る風呂場へと近づく私。

その道のりの途中で、廊下に転がった古めかしい家庭用の冷蔵庫&掃除機を発見(用途不明)。
地下へ続く階段の脇には雑巾かと思うほど薄く汚れたバスタオル(用途不明)がかけられており、山奥のきったねーキャンプ場かと見間違うほどの雑然とした洗面台の上にはなぜかビダルサスーン。


この宿に着いてから僅か数分の間にすでに謎を4個も発見してしまった。



これから先を思うとめまいがするではないか。




そんな道のりを経てやっとのことで辿り着いた風呂場だが、結局その時は中から人の声がしたため中をのぞくことを諦め、ひとまずはフジロックのチケットとリストバンドを引き換えに行くことにした。



リストバンドを腕に装着し、帰ってきて風呂に入るぞ!となり、再び恐怖の道のりを一歩づつ踏みしめる私。


まずは脱衣所に入るために木製の引き戸に手をかけた。


が、開かない。


まったくびくともしない。

鍵がかかってるのかな?と思ってよく見てもそのようなものはまったく付いておらず、ただ単に立て付けが悪いだけと判明。


愕然。


全身全霊をかけて引き戸を思いっきり引く。
なぜ脱衣所に入るためにこんなにチカラを使わねばならんのだ、と何とも言えない気持ちになりながら、勢いよく開き過ぎた扉に驚きつつも脱衣所への潜入は成功。

中にはフジロッカーが既にいて、このお風呂について何やら注意事項があるという。


「このお風呂、お湯が赤茶色いんですけど、温泉らしいので問題はないらしいですよ」



……ソレハホントウカ?



本当にそれは温泉だから赤茶色いのか!?


それはただ単に長い間使っていなかった蛇口から出た水及びお湯だから赤茶色いという話ではないのか!!!??


温泉だからという言葉を微塵も信用出来ず、何の罪もない心優しきフジロッカーに必要以上に疑いの眼差しを向ける私。

湯船を覗くと確かに色がついている。



謎5個目。



そんなこんなで謎のお湯の正体は分からないまま、今年のフジロックはこの謎の館と共に幕を開けたのであった…。



※こんなに長いのにまだ始まってないやんけ!というコメントはナシの方向で(笑)。
長々と読んでいただきすみません(;・∀・)
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